≪いただきもの ≪TOP ≪コマ漫画&イラスト ≪感想 ≪考察
「お父さん、行って来ます。」
写真に手を合わせたナオは鞄を持ち、玄関へ向かった。靴をはいてドアを開けると外は太陽の光に照らされて輝いていた。
ライアーゲームが終わって二年が経っていた。
ナオの父は他界した。
一人になる寂しさや悲しみもあったがナオの心には目標があり、それを叶える為に毎日必死だった。悲しんでクヨクヨ泣くよりも、目標に向かって一生懸命な娘を父は応援してくれていると信じて。
ナオは電車に乗り大学へ向かう。
それは昨年までとは違う大学。ある大学へと今年度から転入していた。
その大学は国内最難関の学校。偏差値も高く、ナオの学力ではかなり難しいものだった。
でもどうしてもそこで学びたかった。
彼の気持ちをもっと理解したかった。
そして追いつきたかったのだ。
大きな背中に庇護されるだけの存在ではなく、肩を並べて歩ける同等の者として。
寝る間も惜しんでひたすら勉強をした。
だけど苦しいとか辛いなんて思わなかった。
なぜならこの目標をクリアする為なら自分でできる事はなんでもしようと心に誓いをたてていたのだ。
その努力が実を結び、ナオは帝都大学文学部へ転入が決まった。
そして今日初めて専攻する犯罪心理学の権威、丘辺教授に会う。
ドキドキとうるさい胸の鼓動。
帝都大のキャンパスを足早に横切って目的地を目指した。
「…ここだ…。」
重厚なドアに表示された名前を確認する。
これは彼に近づく第一歩。
ナオは改めて決意を固める。そして深呼吸をした後ノックを三回。
「どうぞ。」
想像していたよりも若い声が聞こえた。そっとドアを開けると逆光になっており、人物の姿は見えない。
手を目の上に翳して影を作る。そして見えたシルエットは細く長身で。
「頑張ったな、カンザキナオ。」
聞こえた声はずっと会いたかった人の声だった。
「秋山さん!!」
声の主を確認する間も惜しかった。それに間違える筈もない。彼は自分の目標で、そして誰より大切な人。
ナオは何も考えず秋山の腕の中へ飛び込んだ。
「秋山さん…。秋山さん…。」
ナオは子供のように泣きながら、ただ秋山の名前を繰り返す。もう離れまいとするようにシャツの胸元をギュッと握り締めて。
「泣き虫は直ってないみたいだな。」
少しからかうような声。
でもナオの涙を拭う秋山の指はとても優しい。
ナオは顔を上げ、そっと視線を合わせる。
「くくくっ。お前酷い顔してるぞ。」
「だって秋山さんに会えて、嬉しくて涙が止まらないんです。」
泣きじゃくり鼻の頭を赤くしたナオを見て小さく吹き出した秋山。
しかしすぐにその瞳は柔らかく穏やかにナオを映す。
「これから丘辺教授の研究を手伝う事になった。お前の指導も任されている。」
「え!?」
「お前だからって特別扱いしないからな。覚悟しとけよ。」
「……。」
ナオは予想外の事が起こり過ぎて頭の中がパニックになっているようだった。身体は硬直し、口をパクパクと金魚のように動かす事しかできない。
そんなナオを秋山はしっかりと強く抱き締めた。
「俺がお前を…。ナオを幸せにしたい。ずっと側にいて…下さい。」
『他には何も願わない。望まないから…。』
との響きを含んだ秋山の言葉にナオは頷く事しかできなかった。
道は再び交わった。
もう離れる事がないように
手を繋ぎ
絆を結び
信じ合って生きて行く。
最終回捏造文
after story
LG後にお別れする秋直のSSを
こっそり見せて頂きました!(特権ですね)
このSSは、その後日談となっております。
心も物理的な距離も、もっともっと
近づけ!!という今の私の願望を
とっても満たしていただける作品ですvv
最終回を前に不安定になる気持ちを
こうして、頂いた甘い秋直を読んで
何とか立て直していきたい…!!
ありがとうございましたv
また是非ともよろしくお願いいたします!
LGのSSがあって発表する場のない方はおられませんか?
ウェブ拍手に投稿下さい。
こちらに掲載させていただきますよ〜