≪いただきもの ≪TOP ≪コマ漫画&イラスト ≪感想 ≪考察

***ありがたきいただきもの***

wish

2014/7/25
あお様より

「秋山さん」
少し先を行く彼に声をかけた。
「なに?」
ゆっくり身体ごと振り向く秋山さん。長い前髪に両眼は隠されていても、きっと私を優しく見つめてくれている。
私は秋山さんの袖を掴んだ。
「秋山さんは救われましたか?」
「何の事だ?」
「人間捨てたものでもないって。それはまた人を信じる事ができるって事ですよね」
「さぁ、どうだろうね。でも君程バカ正直に信じたりはしないだろうけど」
秋山さんは微笑した。

それでもいい。
あなたが苦しめられている枷から解放されるならば。
人と信頼の絆で結ばれる事が幸せであると感じられるようになるのなら。

胸がいっぱいで勝手に涙が溢れてきた。
「また泣いてる」
秋山さんは少し呆れたような、でも優しく響く声でそう言って長い指で涙を拭ってくれた。そして温かな手に両頬を包まれる。自然と視線を重ね合わせた。
「俺も君に救われたよ」
「私にですか?」
思いがけない言葉に驚く。
私はバカ正直で秋山さんに迷惑をかけるだけなのに…。
柔らかく微笑んだ秋山さんが言葉を続ける。
「バカ正直のナオだから皆が救われたんだろ。そして俺の心にも光をくれた」
「秋山さん…」
「君が人を信じる限り、俺も信じる事ができる」
私が惹かれたまっすぐで強い瞳。心の奥まで見透かされてしまうよう。
そんな瞳が今私だけを映している。
「こんなに華奢で、細くて頼りないのに。どうして誰よりも強いんだろうな」
「そんな…。私なんて秋山さんに比べたら何も…」
少し落ち着いていた涙がまた溢れそうになる。秋山さんはそんな私の肩をそっと抱き寄せて腕の中に閉じ込めた。
静かな鼓動が。
微かなタバコの香りが。
そして触れ合っている各所から体温が伝わってくる。
私の感覚全部が秋山さんで満ちていく。
「ナオ、君の隣にずっといさせて。俺に君を守らせて欲しい」
耳元にそっと囁かれた。その声の余韻に酔う私は頷く事しかできない。私を抱き締める力が一層強くなる。
そして誓いの言葉がもう一度耳元で紡がれた。

「もう迷わない。何があってもナオを守る。俺の命が尽きるまで」
秋山さんの言葉に私は涙が止まらない。まるで子供が泣いているようだった。

やっと涙が落ち着くと、私はしっかり秋山さんを見つめて気持ちを伝える。
「秋山さんが大好きです。ずっと隣にいさせて下さい」
私の言葉に微笑んだ秋山さんで視界がいっぱいになる。
目を閉じるとそっと口唇に触れた温もり。それを忘れる事はできないだろう。今日の誓いの言葉と共に。


wish


甘い原作秋直がほしいと
切望したら、いただけた!!ヽ(>v<*)丿
ありがとうございますvvv

≪MENU ≪TOP