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「いってらっしゃい」
私は秋山さんを送り出し、ドアを閉めた。
初めてうちに泊まってくれて、一緒に朝ごはんを食べた。
昨夜のことを思い出し、私は一人で赤くなった。
（あれ？忘れ物…？）
テーブルの端の方に、ライターがあった。
でも秋山さんはうちに忘れ物をしていったことは一度もないし、
うちでタバコを吸ったこともない。
（秋山さん、まだタバコ吸ってるのかな…）
初めて出会った頃は、煙をくゆらす姿を何回も見た。
やっぱり大人の男の人なんだなあ…と思っていた。
しかしだんだんその回数は減っていき、最近では全く見たことがない。
けれど吸わなくなったのではないことは何となく分かっていた。
（ひょっとして気を遣ってくれてるのかな、それならうれしいけど申し訳ないし、
でも私の思い過ごしかもしれないし、健康のためには吸ってほしくないし…）
結局秋山さんへは何も言えなかった。
ライターを手に取った瞬間、見ていたかのように着信音が鳴った。
「秋山さん、ライター忘れ…」
「いや、忘れたんじゃないんだ」
少し間を置いて、秋山さんは続けた。
「…お前、俺が吸わないの気にしてただろ？」
「気づいていたんですね…」
「一緒に食事に行って禁煙席かどうか聞かれた時、いつも微妙な表情してただろ。いやでも気がつくさ。
実は部屋で一人の時はよく吸っていたんだ…考え事をしながら」
「何を考えてたんですか…？」
「ライアーゲームが終わった今、明日こそお前に別れを告げなくちゃいけない、消えなくてはいけないってね」
「そんな…だめです！」
「だからライター、お前に預けるよ…もう俺には必要ないからな。ずっと一緒にいるんだろう…？」
「はい！！」
私は急いで言った。
「ありがとう…秋山さん」
涙があふれてきた。
「おい…何で泣いてんだよ…」
「…だって…」
「今は泣くなよ…今夜は思いっきり泣いていいから…なるべく早く帰るよ」
それでもやっぱり涙はとまらなかった。
おまけ
この後、秋山さんは口さみしいという理由をつけてキス魔になります(*^^*)
喫煙の理由や、禁煙の理由って気になりますよね。
初めてのお泊りの後に、けじめをつける秋山さんが
素敵ですよね。
きっと自分と直ちゃんとの関係や将来とか、
そういうの色々考えて、それから関係を一歩進めたんでしょうね。
誠実で真面目な秋山さん好き…！
「直ちゃんが思い切り泣いちゃう今夜」も
気になってしかたありませんね。
秋山さんどうすんの…今度は二人きりだよ…///
でね、おまけですよ。
私も禁煙した秋山さんはキス魔になるべきだと
強く思っております。
3コマくらいで描きたいです。
そして、是非書いてほしいなあ。
ちなみに元のお題は
「秋山さんは自分の前でだけタバコを吸わないのかなと、
直ちゃんは思ってるけれど、実は秋山さんはタバコをやめていた」
という感じのものでした。
自分のネタが人さまの脳内で精製されて世界が生み出されるのは
とっても楽しい！！！
ありがとうございます、ゆずりはさん！
またよろしくお願いしますね！