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***ありがたきいただきもの***

St .valentine ’s day

2015/2/13
あお様より


『今日夕飯をご一緒してもいいですか?』
そんなメールが朝に届いた。
今日は特に遅くなる予定はない。
Ok の返事を彼女に送った。

仕事が終わり、寒い夕暮れの道を足早に帰途に着く。
家で誰かが待っている。
それは俺にとって特別な事だった。
幼い頃から母子家庭だった俺は、ずっと暗くて寒い部屋に帰っていた。
温かな部屋に帰る事なんてきっと一生ない。
そう思っていた。
しかし目の前に温かな光溢れる窓を見つけて不覚にも涙で景色が滲みそうになる。
玄関のドアの前で一度深呼吸をした。
そして持っていた鍵を差し込もうとした瞬間
「お帰りなさい、秋山さん。」
ドアが開いて、エプロンをしたカンザキナオが姿を現した。家の中からはカレーの匂いがする。
「今日の夕飯はカレーなんだな。」
「はい。今日のカレーは特別なんですよ。」
俺は持っていた鞄を笑顔の彼女に預け、中へと入る。
うがいと手洗いを済ませると、洗面所に入れ違いで彼女が入って来た。
「洗濯物があったので洗っておきましたよ。」
「そうか、ありがとう。」
「今洗濯物を干してしまうので、秋山さんにお夕飯の用意をお願いしてもいいですか?」
「あぁ、いいよ。」
洗濯物は彼女に任せ、俺はキッチンへ向かう。そこには盛り付けられたサラダと、二つのカレー皿。テーブルは拭いてあるようなので、サラダとカトラリーをセットしてカレー皿を手に取った。
ご飯を皿に盛って、カレーの入った鍋の蓋を開ける。その途端にカレーの匂いが部屋中に広がった。
ふと鍋から視線を反らすとカレー粉の箱と一緒に置いてある何か。
それは今日女性から男性へ愛の言葉と共にプレゼントされる甘い菓子。
『今日のカレーは特別なんですよ。』と彼女が言った意味が分かった。嬉しくて思わず笑みが溢れる。
「ありがとう、ナオ。」
俺は幸せな気持ちでカレーを盛った。

隠し味はチョコレートとあなたを大好きな気持ち。

St .valentine ’s day










制作者様の後書き--------------------
設定としてはナオちゃんは合鍵を持っていて、秋山さんの洗濯物を干せるくらいの仲です。同棲一歩手前な感じですかね。
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もう、いつでも結婚できるね!
主導権が若干直ちゃんの方が握ってそうなとこが、私好みな二人です…!
秋山さんは母子家庭で優しい子だったので、支え上手だと思いますv直ちゃんが羨ましいですv
秋山さんも直ちゃんも寂しいのをたくさん我慢してきてると思うので、寄り添って生きて行く姿をたくさん見たいなあ。って思います。

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